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妊娠・出産の壮絶な様子が巧みに表現されている『きみは赤ちゃん』川上 未映子

2008年 第138回芥川賞受賞作家である川上未映子さんが35歳ではじめて経験した妊娠・出産・育児について描いた出産・育児エッセイです。

妊娠してからの一年と、出産してから子どもが1歳になるまでの、合わせて2年間の出来事が書かれています。

妊娠・出産の現実や実態、つまりその痛みや苦しみといったものは女性にしかわからないものですが、多くの女性はそのことを言葉で表現することは難しいと感じているのではないでしょうか?

最近、妊娠・出産を経験した妻によれば、そういった言葉で表現しにくい生々しい実態がよく書かれていて、共感できる部分が多かったとの感想を言っていました。

また産後に夫婦間で問題となるいわゆる産後クライシスは、出産で身体が傷つき疲弊した母親が、新生児を育て眠れない日々を過ごしているという過酷な状況と、それに対する夫の理解不足が主な原因と考えられます。実際に私もそういった危機に直面したわけですが、産後の女性の本音が赤裸々につづられていて、妻の置かれている状況に思いが至らなかったことをビシバシ指摘されている気がして、反省するところが多々ありました。

 

これから出産を控えている夫婦には最適ですが、そうでなくても妊娠・出産の実際について興味がある方はぜひ読んでおくべき本だと思います。

 

川上さんは下記のとおり、Web上でもいろいろ活躍されている模様です。


川上未映子の出産・育児お悩み相談室|CREA WEB(クレア ウェブ)

 

 ↓ 川上未映子さん公式サイト

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きみは赤ちゃん

内容紹介

35歳ではじめての出産。それは試練の始まりだった!
芥川賞作家の川上未映子さんは、2011年にやはり芥川賞作家の阿部和重さんと結婚、翌年、男児を出産しました。つわり、マタニティー・ブルー、出生前検査を受けるべきかどうか、心とからだに訪れる激しい変化、そし
て分娩の壮絶な苦しみ……妊婦が経験する出産という大事業の一部始終が、作家ならではの観察眼で克明に描かれます。
さらに出産後の、ホルモンバランスの崩れによる産後クライシス、仕事と育児の両立、夫婦間の考えの違いからくる衝突、たえまない病気との闘い、卒乳の時期などなど、子育てをする家族なら誰もが見舞われるトラブル
にどう対処したかも、読みどころです。
これから生む人、すでに生んだ人、そして生もうかどうか迷っている人とその家族に贈る、号泣と爆笑の出産・育児エッセイ!

目次

出産編 できたら、こうなった!
陽性反応
つわり
出生前検査を受ける
心はまんま思春期へ
そして回復期
恐怖のエアロビ
かかりすぎるお金と痛みについて
生みたい気持ちは誰のもの?
夫婦の危機とか、冬
そして去ってゆく、生む生むブルー
いま、できることのすべて
乳首、体毛、おっぱい、そばかす、その他の報告
破水
帝王切開
なんとか誕生

産後編 生んだら、こうなった!
乳として
かわいい♡拷問
思わず、「わたし赤ちゃんに会うために生まれてきたわ」と言ってしまいそう
頭のかたちは遺伝なのか
3ヶ月めを号泣でむかえる
ひきつづき、かかりすぎるお金のことなど
髪の毛、お肌、奥歯に骨盤、その他の報告
父とはなにか、男とはなにか
夫婦の危機とか、夏
いざ、離乳食
はじめての病気
仕事か育児か、あらゆるところに罪悪感が
グッバイおっぱい
夢のようにしあわせな朝、それから、夜
ありがとう1歳

あとがき