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『哲学思考トレーニング』哲学教育は実用的に役に立つと考える人も世の中にはいる

哲学という学問は、日常生活でそんなに役立つものではないというのが通常の感覚だと思います。しかし、筆者によれば「哲学の勉強というのが、思考のスキルを身につけること」で、「使い方しだいでそれは実用的にもなる」といいます。そして、「本書で紹介するスキルは、広い意味で「クリティカルシンキング」として知られているスキルの一種に属する」といいます。

「序」では、さらに続けてこう書かれています。

 人間が知識を増やす方法には少なくともふた通り(二つのステップ)がある。一つは新しい情報をどんどん吸収していくことで、もう一つは情報をふるい分けることである。本を読んだり見聞を広めたりするのは「吸収」のステップにあたるだろう。しかしそこから得られる情報は玉石混交で、自分の持っている情報が本当に信用できるものなのか、「知識」という名前に値するものなのかはわからない。そこで、その情報をふるいにかける「ふるい分け」が必要になってくる。「ふるい分け」は必ずしも情報を集めた後でやるわけではなく、情報を集める際に、集め方そのものを工夫するのも一種のふるい分けである(科学的な実験法や調査法がこれにあたる)。

 本書で扱うクリティカルシンキングなるものは、もっぱら「ふるい分け」のステップにかかわる技術である。

わかりやすいですね。

この後、「クリティカルシンキング」についてより詳細に説明されていくことになります。

 

また、「序」では本書の構成と題して、著書のおおまかな流れについての説明があったり、あとがきの前に「結局、何がどうだったの?」という人のためのガイドというまとめがあったり、本書のテーマである「クリティカルシンキング」についての理解を助ける仕掛けがいろいろ施されているのが面白いところだと思います。

著者のサイト(Tetsuji' Iseda's Website)やTwitterを併せて読むともっと面白くなりそうな予感がします。

哲学思考トレーニング

目次

 哲学的クリティカルシンキングのすすめ

第1章 上手に疑うための第一歩― 日常会話のクリティカルシンキング

1 まずは疑う習慣から
2 議論とは何か
3 議論の特定の手法
4 行間を読んで議論を再構成する

第2章 「科学」だってこわくない― 科学と疑似科学のクリティカルシンキング

1 「科学的事実」の持つ権威
2 今西進化論の事例
3 権威からの議論と対人論法
4 今西進化論の科学性
5 反証可能性
6 「科学的に実証」はどれだけ信用できるか
7 科学の思考法を日常に生かす

第3章 疑いの泥沼からどう抜け出すか― 哲学的懐疑主義と文脈主義

1 デカルトの方法的懐疑
2 方法的懐疑の破壊力
3 論理的推論
4 文脈主義の考え方

第4章 「価値観の壁」をどう乗り越えるか― 価値主張のクリティカルシンキング

1 価値主張
2 「生きる意味」の事例
3 価値的議論を特定する
4 倫理的懐疑主義
5 倫理的懐疑主義への回答
6 価値主張のクリティカルシンキングの手法
7 妥当でない価値的推論
8 結局、「生きる意味」とは何だったのか

第5章 みんなで考えあう技術― 不確実性と合意のクリティカルシンキング

1 地球温暖化をめぐる論争
2 不確実な状況における推論の問題
3 立場の違いに起因する問題
4 クリティカルシンキングの倫理性

「結局、何がどうだったの?」という人のためのガイド

これからのための文献案内

あとがき

 

 

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