このDVDは2009年に行われたベルリン・フィルの「ワルトビューネ・コンサート」の模様を収録したもの。ワルトビューネ・コンサートはベルリン郊外の森で、毎夏行われる人気イベントです。
収録曲は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(ピアノ独奏はブロンフマン)、チャイコフスキーのくるみ割り人形、ストラヴィンスキーの春の祭典で指揮はサー・サイモン・ラトル。と大変豪華な顔ぶれです。
ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番で最近の名演といえば、 2004年11月21日東京サントリーホールのピアノ演奏ブロンフマン、指揮ゲルギエフ、オケはウィーンフィルで演奏されたものが知られています。
当日この場でこの演奏を聴いた方はあまりの感動で演奏終了後しばらく動けなかったとか。(ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第3番 第1楽章-第2楽章前半/ブロンフマン ‐ ニコニコ動画:GINZA)
この時の名演はネット上でも各所で絶賛されています。
閑話休題!ブロンフマン/ゲルギエフのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 Cla_PA!(クラシックパーキングエリア)/ウェブリブログ
私はその後、2012年11月14日にサントリーホールで行われた、ピアノ演奏デニス・マツーエフ、ゲルギエフ指揮、オケはマリインスキー歌劇場管弦楽団のコンサートに行き、ラフマ3番の生演奏を初めて聴き、その素晴らしさに感極まって涙しました。
自分の連れも含め周りにいた人はみんな挙動不審だったので(おそらく演奏を聴いて泣いていた)、生でこの曲を聞いたらほとんどの人が感動のあまり涙をこらえながら聴くことになるような気がするくらいでした。不思議な魔力を持った曲ですね。
ピアニストの素顔「20年後も、ゲルギエフとラフマニノフの3番を弾いていたい」デニス・マツーエフのインタビュー
YouTubeで見れるブロンフマンの歴史的名演と合わせて、このDVDの演奏もぜひ聴いてほしいものです。
Yefim Bronfman: Rachmaninoff Piano Concerto No. 3 in D minor, Op. 30 - YouTube
ストラヴィンスキー・春の祭典
この年のワルトビューネ・コンサートのプログラムはすごく豪華で、ラフマニノフ(しかもブロンフマン)のあとに春の祭典が演奏されました。
野外コンサートなのでしょうがないのですが、なんとプログラム前半のピアノ協奏曲終了後に雨が降ってきてしまいました。日が落ちて薄暗くなりはじめ、雨がまだ降り続く中、ファゴットソロで曲がスタートします。演奏が進むにつれていつの間にか雨は上がりますが、普通なら雑音にしか思えない雨の音がすごく幻想的な雰囲気を演出していて野外コンサートならではの春の祭典になっています。
以上、聴きどころ見どころ満載の贅沢なDVD。聴かないと損ですよ。