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何故、こどもに名言が多いのでしょうか!? 『それ、どこで覚えたの?』の感想等まとめ

2013年3月に出版された『それ、どこで覚えたの?』の書評等の情報をまとめました。

それ、どこで覚えたの ?

Twitterに投稿された子どもの迷言、名言をまとめた本。大人にはまねできない、自由な発想ができる子どもならではの言葉に思わず笑わされ、時にしんみりさせられます。

大人は言えない名言

―ゴウヒデキ・藤木フラン編『それ、どこで覚えたの?』(新潮文庫)

ゴウヒデキ

「こどもって、時々すごい真実を言うよね?」
 そんな言葉を耳にする度、私は「それは、こどもをナメているのではないか?」と思っていました。つまり「こどもが考えることなんて、どうせ大したことないだろう……」と大人が油断しているから、その隙を突いた発言に「すごい真実を言うよね?」と感じるのだと。
 ところが、今回『それ、どこで覚えたの?』のために集めた「こどもの名言ツイート」を見渡してみると、どうやら事情は違うようです。
○小学4年の息子が、「ぼくね、本当の無敵っていうのは敵がいないほど強いんじゃなくて、誰とでも仲良くなって、敵なんかいなくなることだと思うんだ」と話してくれた。子供にはいろんなことに気づかされる。
○娘(小1)に「人間の体は何で出来てると思う?」と聞かれ、「肉と血と骨じゃないの?」と言ったら、「あとひとつあるよ」と言われて、「あとひとつはなあに?」と聞いたら、「愛だよ」と言われ、頭を何かでブン殴られた思いなので寝ます。
 こんな名言がたくさんあるのです。こちらは名言を探しているので油断どころか身構えた状態。それでも、こどもの言葉は鋭く突き刺さってきます。では何 故、こどもに名言が多いのでしょうか!? それは、こども達は大人が言えない事を言える……という強みを持っているからだと思います。
 我々は何となく「知識が広がり経験が増えると、言葉が鋭くなる」というイメージを抱いていますが、本当は逆で「知識と経験が増えると、言葉が鈍くなる」のが実態です。
 今や政治家や芸能人でない人でも、見ず知らずの人に叩かれる時代。本当は「AはBである!」というメッセージを発信したいのに、「いや、違う考えの人も いるだろうな……」「断定すると揚げ足を取られるかも……」と知識や経験が自己防衛するように働きかけ、結果、「AはBであるんじゃないかなんて考え ちゃった。」とヌルッとしたつかみ所のない発言に終わってしまう……。
 誰の顔色を窺っていいのか? 窺うにも、その顔すら見えない人達を警戒するうちに、いつしか発言ばかりでなく、考え方も「叩かれないよう」に萎縮してしまっているのかもしれません。
(中略)
 こどもの発言の面白さに心くすぐられる度に、その発言をあたたかく受け止めている家庭を思い浮かべて、ほほえましい気持ちになります。
 と同時に、「(大人となった)自分は何を気にしていたんだろう?」と警戒し、萎縮していた自分を見つめ直します。「自分もこどもの時は、こう思った!」 「自分のこどもの時はどうだったっけ?」と振り返りながら読むと、本来の伸び伸びとした自分が見つかる……そんな本かもしれません。

 (ごう・ひでき 放送作家)

ゴウヒデキ・藤木フラン編『それ、どこで覚えたの?』(新潮文庫)978-4-10-137061-3
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新潮社のTwitterより

ダ・ヴィンチニュースより

“うちの子、神かと思った!”というような親なら一度は経験する楽しみを、Twitterから収集した1冊だ。

 まずは本書から、哲学者も真っ青な子どもによる格言を紹介しよう。たとえば、「お料理したい!」と騒ぐ息子に、ママが「大きくなったらコックさんになるのかなー?」と問いかけた際の返事。
 「コックさんにならないよ……、ぼくは、ぼくのままがいいー!」
 子どもながらに尾崎豊イズムを滲ませる、すばらしいアイデンティティの獲得ぶりではないか。


うちの子は神!? Twitterに寄せられた「子どもの名言集」 | ダ・ヴィンチニュース


それ、どこで覚えたの? ゴウヒデキ 藤木フラン : ブクレポスタッフさんのレビュー - ブクレポ